コラーゲンが配合された化粧品を使っているけれど、本当にお肌にいいの?そう疑問に思う人は少なくないようです。実際、肌に直接塗ったからといって、コラーゲンそのものが急に増えるわけではありません。
では、コラーゲンが配合された化粧品には、どのような働きが期待されているのでしょうか。
今回の記事では、肌内部にあるコラーゲンの働きへの理解を深め、コラーゲンを美容に取り入れるメリットについて詳しくみていきましょう。
コラーゲンは肌の「真皮」に存在する、タンパク質でできた繊維。真皮は肌の土台のような部分であり、弾力や水分を保つうえでとても大切な役割を担っています。
そんな真皮の主要成分となっているのが、コラーゲン。真皮内で網目状のネットワークをつくり、肌に強さやハリをもたらしてくれています。
肌内部ではベッドのスプリングのように肌の弾力を保つコラーゲンですが、化粧品では主に保湿成分として働きます。コラーゲンは親水性に優れ、水分を抱え込んでキープしてくれるので、特に乾燥が気になる肌に向いています。
コラーゲンに関する情報のなかで、「コラーゲンは肌に浸透しない」という話があるようですが、それは本当なのでしょうか。
実は、一般的に化粧品に配合される成分のうち肌の角質層に浸透しやすいのは、分子量500ダルトン(ダルトン=分子の質量を表す単位)以下で、なおかつ油(脂)に溶けやすいものとされています。
化粧品に使われる動物性コラーゲンの分子量は約30~40万ダルトンで、海洋性コラーゲンでも約10万ダルトンと、角質層への浸透は難しいでしょう。
現在研究がすすめられている低分子コラーゲンのなかには、500ダルトン以下のものもみられますが、肌には免疫機能が備わっているため、肌にとって異物となる化粧品の成分が簡単に浸透するとは考えにくいようです。
分子が大きく肌への浸透が難しいコラーゲンですが、だからこそ期待される働きもあります。
それは、肌の表面にとどまって、抱え込んだ水分をキープしてくれるというものです。こうして肌の水分を保つことにより、外部からの刺激を和らげてくれるともいわれています。
肌の乾燥はシワやカサつきだけでなく、バリア機能の低下を招き、さまざまな肌トラブルの原因になってしまいます。
そうならないためにも、コラーゲンの保水力を上手に活用して乾燥に負けない肌をキープしましょう。
コラーゲン配合の化粧品にはさまざまな種類があるので、選ぶときに困ってしまうかもしれません。
もし、いままでコラーゲンが配合された化粧品を使ったことがないのなら、まずは化粧水からコラーゲンを取り入れてみましょう。
化粧水には複数の美容成分がバランスよく配合されているので、はじめてでもきっと取り入れやすいはず。
肌表面での保水効果の大きさを重視したい場合は、美容液やクリームなどスキンケアの最後に使うアイテムがピッタリです。ほかの化粧品の上にフタをするように使うことで肌に必要な水分の蒸発を防ぎ、うるおいを保つ働きが期待できます。
コラーゲンはほかの成分と結びつき、肌をなめらかにするともいわれているので、ゴワつきが気になるときにもおすすめです。
肌内部で活躍するコラーゲンとは違った役割をもつ化粧品のコラーゲン。肌内部のコラーゲンは年齢とともに減っていきますが、化粧品の保湿成分としてコラーゲンを活用することで、年齢に負けないうるおい肌のキープが期待できます。
ぜひ今日から、毎日のスキンケアに取り入れてみてくださいね。