「週末しっかり寝たのに朝からダルい…。」「月曜は朝から憂鬱…。」とお悩みの人はいませんか?
その月曜の鬱々とした気分やだるさは、週末の寝溜めが原因かも。
今回の記事では、ついやってしまいがちな週末の寝溜めが引き起こす、体内リズムのズレについて東京家政大学 人文学部 心理カウンセリング学科 准教授の岡島 義先生に教えていただきました。
週末に寝溜めしてしまう原因
寝溜めが引き起こす体への影響
週末の寝溜めを改善する方法
平日忙しく活動したり仕事をしたりしているとつい睡眠時間を削ってしまい、その結果、週末に寝不足を補おうとして「寝溜め」をしてしまうという人は多いのではないでしょうか。
裏を返すと、週末に長く寝溜めをしてしまう人は平日の睡眠がかなり足りていないということになります。
一見週末の寝溜めは平日の睡眠を補えるように思えますが、実は寝溜めをすると体内のリズムが乱れてしまい、時差ボケのような状態を引き起こしてしまうのです。
これを「ソーシャルジェットラグ」と呼びます。
このソーシャルジェットラグは平日の起床時間よりも休日の起床時間が長くなることで起こります。この差が2時間以上開いてしまうと体内のリズムが時差ボケ状態となり,平日の睡眠の質の低下、日中の居眠り、夜型生活などの睡眠の負債を作り出してしまいます
月曜から「会社に行きたくない」「通勤がしんどい」などの暗い気持ちが湧いてしまう、いわゆるブルーマンデーと呼ばれる現象はもともとうつ病と関連が深いと言われていました。
このような気分の落ち込みも、実は睡眠負債による体内リズムの時差ボケが関係しているのです。
また、日常的な睡眠の負債は仕事や家事などの生産性にも影響することがわかっています。
ソーシャルジェットラグは、平日の睡眠不足、つまり平日に溜まってしまった「睡眠の負債」を週末で補おうとすることで起こります。
そのため、まずは平日の睡眠を30分〜1時間程度増やしてあげるように心がけましょう。
「睡眠時間を増やしたくてもなかなかむずかしい…。」と思う人も多いのでは。
そこで平日の睡眠時間を増やすためには、生活スタイルを“見える化”してあげるのがおすすめです。
生活スタイルを見える化するには、1日を通してどんな行動に何時間費やしているか、毎日どのような構成で生活を送っているのか「かつどーなっつ」という図を書いてみましょう。
そこで実際に図に表すことで、どの時間に眠気を感じているか、1日の中でボーッとしている時間はあるかがわかるようになります。
せっかく起きているのに意外と集中できていないことに気付き、日常のムダを省くことで上手く睡眠時間を捻出できるようになるでしょう。
いきなり睡眠時間を増やすことはむずかしいかもしれませんが、生活スタイルを見える化して「余計な時間」を修正し、徐々に睡眠時間を見直していくことが大切です。
まずは、1週間見える化を実施してみましょう。
少しずつ平日の睡眠負債が減っていくことで、体内リズムの時差ボケ状態が改善され、日常生活の調子が上がっていくようになります。
すると自然に睡眠の調子もよくなってきてよい循環が生まれるので、「月曜の朝からダルい」という人はぜひ“見える化”を今日から取り入れてみてください。
ソーシャルジェットラグがブルーマンデーを引き起こす
平日の睡眠を30分〜1時間伸ばすことでソーシャルジェットラグを改善できる
1日の生活スタイルを“見える化”して睡眠時間を効率よく増やす
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