「わかっていても食欲が抑えられない」「痩せたいのになかなか痩せられない」など、自分の食欲をコントロールできないことにお悩みの方はいませんか?
特にストレスが溜まっていると、食べすぎてしまったり、つい間食をしてしまったりすることも多くありますよね。
今回は神経内科・内科医で医学博士の山下あきこ先生に、肥満とストレスの関係性や食べすぎ防止にもつながる「チョコレート瞑想」についてお話を伺いました。
ストレスと肥満の関係性とは
ストレスホルモン「コルチゾール」のはたらき
少しの量でも満たされる「チョコレート瞑想」とは
同じ食事をしていてもストレスが溜まっているときとそうでないときでは、太りやすさが異なることがわかっています。これは、ストレスホルモン「コルチゾール」が増加することにより、血液中の糖が増加しやすくなるためと考えられています。
そのため、ストレスが溜まって気分が落ち込みがちなときは、体がストレスに対応し脂肪を溜め込もうとするのか、そこまで食べていないのに太ってしまうこともあります。
また「コルチゾール」の分泌量が増えすぎると肥満の原因になるほか、睡眠の質を下げたり、生活習慣病などの原因の一つになったりすることも。
コルチゾールを少しでも減らすためにも、適度な運動、十分な睡眠、瞑想などのマインドフルネスを習慣化させ、ストレスを溜めすぎないことを心がけましょう。
ストレスホルモン「コルチゾール」を減らすためには、幸福感を高めながら食事をすることも効果的です。食事に意識を向け、ゆっくり食事を摂ることにより、食欲の暴走を抑えることもできます。
また食欲を抑えられないときは、口の中でゆっくり溶けるチョコレートを使った「チョコレート瞑想」がおすすめです。
この瞑想は、少しの食事量でも満たされやすくなるほか、簡単にマインドフルネスを取り入れることができ、コルチゾールの減少にも役立ちます。もちろん、チョコレート以外の食べ物を使ってみても構いません。
使用するチョコレートは、プレーンタイプの1粒タイプがおすすめです。お手持ちがなければナッツ入りなどでもお試しいただけますが、プレーンチョコレート1粒がどのように咀嚼されて胃に流れていくかを体感してみましょう。
1. まずは包みを開けずにチョコレートを手に載せ、重みを感じましょう。
2. 包みを開けて、チョコレートの感触を手で味わいましょう。
3. 目を使ってチョコレートをさまざまな角度から観察してみましょう。
4. チョコレートに耳を傾けてみましょう。
5. チョコレートを眺めながら、自分の中のチョコレートに対する思いを観察してみましょう。「おいしそう」「どんな味が好き」など、どんなことでも構いません。
6. 鼻を使ってチョコレートの香りを楽しみましょう。
7. チョコレートを少しだけ舐めて、舌触りを感じてみましょう。
8. チョコレートを3口で食べます。1口目をかじったら、チョコレートの溶けていく感じや唾液が出る感じを十分に味わって飲み込みましょう。
9. 飲み込むときは喉を通る感覚を意識しましょう。
10. 2口目はチョコレートを噛んで楽しみましょう。食感を楽しんだあとは細かくなったチョコレートを舌を使って口の中で移動させてみましょう。
11. 最後の1口は好きなように食べてみましょう。
食事は毎日行う分流れ作業になりやすく、ゆっくり味わう感覚を忘れがちです。しかし、ゆっくり食事を楽しむことによってストレスホルモンを減少させ、食べすぎを防止するなどうれしい効果がたくさん生じます。
まずはいつも食べているチョコレートを五感を使ってゆっくり楽しんでみましょう。チョコレートの香りや味、感触などを自由に味わい、マインドフルな時間を楽しんでみてくださいね。
ストレスが溜まっていると同じ食事内容でも太りやすくなる
ストレスホルモン「コルチゾール」は肥満・睡眠の質低下・生活習慣病などの原因になる
チョコレートを五感を使って味わう「チョコレート瞑想」は食べ過ぎ防止におすすめ
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