変わりゆく生活様式の中で、健康や免疫力に関心を持ち始めた人が多いのではないでしょうか。
免疫力と食事は、非常に強い結びつきがあります。免疫力を高めるためには、毎日の食事から変えていくことが大切です。
そこで今回は、管理栄養士の菊地めぐみさんに「免疫力とは」「免疫力を上げる方法」についてお話を伺いました。
免疫力に関する基礎知識
免疫力を高めるために必要な栄養素
免疫力を高める具体的な食材
免疫力とは、身体に害のあるウィルスや病原菌を外に出したり、戦ったりする仕組みのこと。
「免疫力を高める」というのは、身体にもともと備わっている機能を正常に働かせることをいいます。
多くの人は、ストレスや睡眠不足などさまざまな要因によって免疫機能が正常に働いていない状態です。免疫力が低下すると、感染症や病気にかかりやすくなります。
免疫力を担う細胞の多くは腸に存在します。腸の状態を整えて、ウィルスや病原菌に負けない身体をつくりましょう。
免疫力を担う「免疫細胞」は、7割以上が腸に存在するといわれています。そのため、免疫力を高めるには腸内環境を整えることが非常に大切です。
腸内環境を整えるためには、以下の2つの方法があります。
まずは便通を整えて、いらないものを毎日きちんと排出することがとても重要です。便秘気味の人は食生活をはじめとする生活習慣の見直しを行い、毎日すっきりできる状態をめざしましょう。
薬物には頼らず、食事や運動を根気よく続けて自然なリズムを取り戻すことが理想です。朝食後など、便意がなくても決まった時間に排便することを習慣化してみてください。
「免疫細胞」は、腸の表面にある粘膜の部分に存在しています。
そのため腸粘膜はバリア機能の役割を果たしているのです。腸粘膜が薄くなると、身体に害のあるウィルスや病原菌が入り込みやすくなります。
免疫力を高めるためには、腸粘膜に必要な栄養素をしっかり摂ることが大切です。
「グルタミン」はアミノ酸の一種で、卵・肉・魚・大豆などタンパク質に含まれる栄養素です。「亜鉛」は牡蠣をはじめとする魚介類から、「セレン」は海藻類や穀類などから摂取できます。
腸粘膜に必要な栄養素をまんべんなく摂るために、キーワードとなる3つの食材を覚えておきましょう。
卵はグルタミンや必須アミノ酸が豊富です。ビタミンAやDも豊富なので、腸粘膜に必要な栄養素をまんべんなく含んでいます。
お肉なら赤身肉やレバーがおすすめです。赤身肉とは牛・豚ならロースやバラ肉、鶏ならもも肉のことをいいます。
魚介類は、赤身魚(マグロ・カツオ)や青魚(イワシ・サバ)を食べましょう。サーモンや牡蠣にも腸粘膜に必要な栄養素が含まれています。
免疫力は、私達が健やかな毎日を送るためにとても大切な働きをしています。免疫力を担う「免疫細胞」の7割は腸にあるので、腸の状態を整えることがとても大切です。
「免疫細胞」がきちんと働ける環境を作れば、腸からウィルスや病原菌が侵入することを防げます。卵・肉・魚介類を食べていない人は、今日の食事から意識的に取り入れましょう。
免疫力とはウィルスや病原菌と戦う仕組みのこと
免疫力を高めるためには腸内環境を整えて栄養を摂ることが大切
卵や肉、魚介類を食べることが免疫力アップにつながる
この記事を動画で見たい方はこちら