「この症状、もしかして更年期?」「更年期って何が起こるの?」など、更年期の症状について不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
更年期の症状とは個人差が大きく、人によってさまざまな不調が起こります。更年期とは分かりにくい症状も多く、更年期と気付けないまま過ごしていることもあるのです。
そこで今回は、更年期トータルインストラクターの永田京子先生に「更年期の症状とは?」というテーマでお話をうかがいました。
更年期の症状はどんなものがあるのか?
更年期のセルフケア方法とは?
更年期の検査ってどんなことをされるの?
更年期の症状とは一体何が起こるのか、fracoraが独自で約3万人の大人女子にアンケートを実施しました。
更年期には女性ホルモンの分泌が低下し、それによって自律神経が乱れやすくなります。そのため、精神・神経系の悩みを感じる方も多くいらっしゃいます。
更年期は不眠やめまいなどの不調や、不安やイライラと、うつうつとした精神的な症状も起こりやすく、とてもデリケートな時期です。
女性ホルモンには、血管を強くしなやかに保つ役割があります。女性ホルモンが減少していく更年期には、血管機能の低下による症状が起こりやすいのも特徴です。
血管のしなやかさが低下し血流が悪くなると、老廃物が滞りやすくなります。それによって凝りや冷え、痛みの症状として現れることも。またこの時期、自律神経の乱れから、体温調節がうまくできなくなることもあります。
女性ホルモンには、肌のツヤや粘膜のうるおいを保つ役割があります。女性ホルモンが低下する更年期には、肌が乾燥してシワが増えたり、くすみやすくなったり、粘膜が乾燥しやすくなったりします。
肌のシミやシワというと「スキンケアの問題?」と思ってしまいますが、実は女性ホルモン低下の影響を受けているのかもしれません。
女性ホルモンは粘膜のうるおいを保つ役割もあるので、更年期以降はドライマウスやドライアイ、性交痛の悩みも増えてきます。
更年期には、自律神経の影響を大きく受ける消化器系の不調も起こりやすくなります。
更年期の不調だと思っていたら、他の病気が隠れていたということもあります。生活習慣を整えても不調が改善しない場合や、いつもと違う不調が続くときには、我慢せずに医療機関を受診しましょう。
更年期の症状は、セルフケアで軽くなることがあります。自分自身の体や心をケアする方法を見つけておきましょう。
運動・食事・睡眠といった、基本的な生活習慣を見直していきましょう。生活習慣を整えることで、更年期のさまざまな不調が改善することがわかっています。
生活習慣を整えることが健康にいいと分かっていても、継続して行うのは難しいですよね。運動や栄養管理など、今の生活にプラスして何か新しいことを始めようとすると大変です。
いい生活習慣の継続のコツは、無理のない範囲で毎日の「選択」を変えていくことです。
「エレベーターか階段なら、階段を使う」「食材が豊富なメニューと菓子パン1個なら、食材が多い方を選ぶ」のように、毎日のちょっとした選択を意識して体が喜ぶ方に変えてみてください。そのときは少しの変化だとしても、毎日の積み重ねで、今の体調だけでなく将来の健康まで大きく変わっていきます。
更年期の症状は治療法が確立されており、更年期障害と診断されたら多くは保険適用で治療が受けられます。
「我慢が美徳」という時代は終わり。ツラいときは、婦人科に相談しましょう。
更年期の治療にはさまざまな種類があり、たとえばHRTも飲み薬だけでなく、塗り薬や経皮薬などさまざまな種類があります。更年期の不調は「婦人科」で相談ができます。
更年期の不調は「婦人科」に相談しますが、もし耳鳴りやめまいなど、何か特定の不調が強く出ている場合は、他の病気の可能性を考えて「耳鼻科」などの専門の科を受診します。検査して何もなかった場合は、改めて婦人科に相談するのがいいでしょう。
「更年期うつ」と「うつ病」は、注意が必要です。日本産科婦人科学会のホームページでは、40歳以上で初めて「うつ症状」(希死念慮のないもの)を感じる場合は、第一選択肢としてまずは婦人科を受診してくださいと記載されています。
最も怖いのは、他の重大な病気が隠れているのに気付かないことですから、気になる症状や不快な症状があるときは必ず医療機関に相談しましょう。
婦人科での更年期の検査はどのように行われるのでしょうか。
更年期の検査方法はクリニックによって異なりますが、基本的には、問診、内診、超音波検査や細胞診、血液検査です。
「血液検査」では採血をして、ホルモンレベルや、コレステロール値をチェックします。体にどんな変化が起こっているのかを調べます。
大きな病気を見逃さないよう、血液検査の他に「内診」「超音波検査」なども行うのが一般的です。
まずは病気がないか確認し、問題がなければ更年期の治療に移っていきます。
「内診に抵抗がある」「内診があるなら行きたくない」という人は、それを医療機関に相談してみるのもいいでしょう。お腹からの超音波検査や血液検査で診察が可能な場合もあります。大きな病気が、受診を躊躇しているあいだに進行してしまわないように早めに検査を受けてみることが大切です。
更年期の症状は、個人差が大きく、症状は200〜300種類もあるといわれています。感じ方や重さも人によって異なるのが特徴です。
「こんなことも更年期?」と言いたくなるような症状もあります。「肌の乾燥」「物忘れ」「耳鳴り」なども、更年期に起こりがちな症状です。
更年期の症状は、病院での治療のほかセルフケアでも症状の緩和が期待できます。もしセルフケアを取り入れても「不調が続く」「不快な症状がある」ときは、我慢しすぎずに「婦人科」または「専門の科」を受診してみてください。
更年期は自律神経や血管にまつわる症状が起こりやすい
更年期のセルフケアは生活習慣を整えることが第一
更年期の検査は問診や血液検査でホルモン値をチェックするのが一般的