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時間栄養学として考える腸活とは?腸内環境を整える朝食やヨーグルトの食べ方

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「お腹の調子がよくない」「お腹がすっきりしない」など、腸内環境の不調を感じてはいませんか?または「昔は悩んだことはなかったのに、歳を重ねたら便秘気味になった」なんてケースも実はよくあることです。

そこで腸活をしようと思ったとき、多くの方は最初に「ヨーグルトを食べる」「乳酸菌飲料を飲む」などの方法を思いつくのではないでしょうか?

しかし現在とても注目されている「時間栄養学」の視点から考えると、もっとベースの食事を変えていくほうが腸内環境によいことが分かっています!

そこで今回は、早稲田大学の柴田重信教授に「時間栄養学として考える腸活」というテーマでお話を伺いました。美容やメンタルヘルスにも重要な腸活についてチェックしてみましょう。

この記事でわかること

発見!時間栄養学として考える腸活のやり方とは
よい朝食を食べると肥満が防げる
時間栄養学として考えるヨーグルトを食べるタイミング

時間栄養学で考える「腸活」

更年期や自律神経の乱れが重なると、なんだかお腹の調子まで悪くなってきますよね。オトナ女子のみなさまは、健康や美容のために「腸活」に取り組んでいる方も多いのではないでしょうか?

ここでは「時間栄養学」の視点から見た腸内環境の整え方について、柴田教授に詳しく教えていただきました。

腸内細菌の種類は時間帯によって変わる

柴田教授の研究チームは、ネズミの便を朝・昼・晩に採取して腸内細菌を調べました。

すると、時間帯によって働く腸内細菌の種類が違ったそうです。朝に働きやすい菌、夜に働きやすい菌など、1日の中で菌叢の移り変わりがあることを発見しました。

ヒトの場合もネズミの腸内細菌と同じように、時間帯によって腸内細菌の種類が変わると考えられます。そのため、腸内細菌の変化に合わせながら食事を摂るのがよいといえるでしょう。

朝食には「水溶性食物繊維」を摂るのがおすすめ

朝食には、腸内細菌のエサになる「プレバイオティクス」を摂るのがおすすめです。

活動期の最初に「プレバイオティクス」、とくに食物繊維を摂るとよいでしょう。食物繊維には「水溶性食物繊維」「不溶性食物繊維」の2種類があり、朝食には「水溶性食物繊維」がより効果的だと考えられます。

水溶性食物繊維が多い食材 不溶性食物繊維が多い食材
・ごぼう
・さつまいも
・イヌリン
・海藻類
・果物
・その他
・こんにゃく
・根菜類
・きのこ類
・豆類
・繊維のかたい野菜
・その他

「水溶性食物繊維」は朝の排泄をサポート

朝食に「水溶性食物繊維」を摂ると、便秘解消につながります。

便秘薬は寝る前に飲むものが多いので、研究当初は「夜に食物繊維を摂る方がよいのではないか」と考えていたそうです。しかし研究を進めていくと、「朝に水溶性食物繊維を食べるのが排泄によい」ということが分かってきました。

「短鎖脂肪酸」が体内時計を調整する

朝食に「水溶性食物繊維」を摂ると、腸内で「短鎖脂肪酸」が作られます。

▼短鎖脂肪酸の種類

  • 乳酸
  • プロピオン酸
  • 酪酸
  • その他

「短鎖脂肪酸」は、体内時計を調整する働きもあるそうです。そのため、時間栄養学の視点から見ても朝食に「水溶性食物繊維」を摂るのがよいと考えられています。

日本人の朝食は和食がおすすめ

朝食に「和食」を食べている方は、食物繊維を多く摂れている傾向にあります

また、和食には納豆や味噌などの発酵食品も多く、腸内細菌叢のバランスを整える「プロバイオティクス」も豊富です。

和食なら体内時計を調整する「炭水化物」「タンパク質」もしっかり食べられるため、時間栄養学の視点から見ても効果的なメニューだと考えられます。朝食を「和食」にすることで腸内環境と体内時計が整い、心と体がどんどん元気になっていくでしょう。

ストレスと高脂肪食は避ける

腸内細菌叢を悪くする原因は「ストレス」と「高脂肪食」です。

日常生活で「ストレス」を感じやすい方は、悪玉菌が増えているかもしれません。また、こってりとした脂っこいものが好きな方も、腸内細菌叢の状態が悪くなっている可能性があります。

腸内環境をよくするためには、「ストレス」を感じにくい環境で過ごすことが大切です。さらに「和食」中心のさっぱりとした食事を心がけ、善玉菌のエサになるような「プレバイオティクス」「プロバイオティクス」をしっかり摂りましょう

朝食を食べることで肥満を予防しやすくなる

食事を摂ると消化管から「インクレチン」というホルモンが分泌され、血糖値を下げる「インスリン」の分泌を促します。

「インクレチン」は「GLP-1」と「GIP」の2種類があり、とくに「GLP-1」は肥満予防や2型糖尿病の治療薬として使われているものです。「インクレチン」によって「インスリン」の分泌が促されることで、血糖値の上昇を抑制し、さらに体内時計のリセットを起こします。

この「インクレチン」とは、腸内細菌が刺激されることで分泌されるホルモンです。つまり、朝食を食べて「インクレチン」を分泌させることが、肥満予防や体内時計の調整に効果的だと考えられるでしょう。

時間栄養学で考える「ヨーグルト」を食べるタイミング

腸内環境の改善や健康維持のために「ヨーグルトを食べている」というオトナ女子も多いのではないでしょうか?

時間栄養学として考えたとき、食べるタイミングによって身体への影響は少し変わります。ここでは、目的ごとに効果的なヨーグルトの摂取タイミングについて教えていただきました。

筋肉を維持したい方は朝がおすすめ

朝からしっかりタンパク質を摂ると、筋肉が合成されやすくなります。

ヨーグルトには乳タンパクがたっぷり入っているので、筋肉を維持したい方は朝に摂るとよいでしょう。発酵しているものは消化吸収もよいので、朝から肉や魚を食べる元気がないときにもおすすめです。

骨を強くしたい方は夜がおすすめ

ヨーグルトは牛乳から作られるので、カルシウムを豊富に含みます。

カルシウムは夜の方が吸収がよいので、骨を強くしたい方は夜にヨーグルトを摂るとよいでしょう。

ただし、ヨーグルトには乳脂肪が多く含まれます。乳脂肪は血圧を上げる要因になるので、夜はできれば低脂肪のヨーグルトを選んでみてください。

また、甘いヨーグルトは糖分も多く含まれるので要注意。寝る前に血糖値が上がると睡眠の質が悪くなるため、夜に摂るなら無糖のヨーグルトを選びましょう

筋肉と骨を強くしたい方は朝晩2回

オトナ女子世代は誰でも更年期をむかえます。

たとえ更年期の不快な症状を感じていなくても徐々に体内の女性ホルモン分泌が減少し、自律神経が影響を受けることで、筋肉が衰えやすく、骨粗鬆症も気になり始める頃ですよね

そんなときは、朝晩2回ヨーグルトを摂るとよいでしょう。

このときも乳脂肪や糖の過剰摂取にならないよう、できるだけヘルシーなヨーグルトを選ぶようにしてみてください。

時間栄養学で考える「腸内環境」は朝の和食が効果的!

時間栄養学の視点から「腸活」を考えたとき、もっとも効果的なのが朝食に「和食」を食べることです。

「和食」には食物繊維が多く、腸内細菌のエサになる「プレバイオティクス」をたっぷり取り入れられます。さらに納豆や味噌、漬物などの発酵食品によって、腸内細菌の働きをサポートする「プロバイオティクス」も摂れるんです。

また、和食で摂れる炭水化物やタンパク質は、体内時計をリセットする働きがあります。朝食をしっかり食べると腸内細菌が刺激され、肥満予防効果が期待できる「インクレチン(GLP-1)」というホルモンが分泌されやすくなるのも嬉しいポイントです。

健康的なおやつとして、朝や夜に「ヨーグルト」を取り入れるのもおすすめ

柴田教授に教えていただいた時間栄養学を意識して、毎日の「食」を楽しみながら、腸内環境を整えて元気な身体を保ちましょう!

この記事でわかったこと

時間栄養学として考える腸活は「朝食の和食」がおすすめ
朝食をしっかり摂ると肥満予防に効果的なホルモンが出やすくなる
ヨーグルトを食べる時間は筋肉維持なら朝、骨強化には夜が効果的

最終更新日:2022.09.30

この記事の監修者

柴田重信教授

早稲田大学先進理工学部 電気・情報生命工学科 教授

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