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ウェアラブル活動量計の睡眠波形で睡眠改善はできる?専門家に聞いた睡眠改善方法と事例

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年齢を重ねても健康でいたい!生活習慣にプラスしたいインナーケア

       

バランスの取れた食生活や適度な運動、質の良い睡眠は、健康な身体や肌を保つために非常に重要です。

しかしながら、忙しい日々の中でどれも完璧にこなすことは難しいはず。そんな時に、考えたいのが、サプリメントで不足している栄養を補うことです。

いつまでも元気で美しくいたい、そうお考えの方はぜひこの機会に検討してみましょう。

睡眠の質をよくするために買ったスマートウオッチの睡眠波形、独自に評価された睡眠スコアを参考に「入浴する」「食事に気をつける」「適度な運動」などを試してみても、なかなかスッキリ爽快の快眠にはならず。

「私の睡眠波形って、好いのかな?」なんて、読み解き方に悩むことがありますよね。

そこで今回は、筑波大学発のベンチャー「株式会社S’UIMIN」の睡眠アドバイザー 谷 明洋さんに「睡眠深度による睡眠課題のチェック方法と、改善方法と事例」について教えていただきました。

この記事でわかること

脳波測定による睡眠改善サービスを提供する「株式会社S’UIMIN」とは?
眠れない原因と具体的な対策の立て方
脳波から分かる睡眠経過図の読み取り方

株式会社S’UIMIN(すいみん)とは?


睡眠を専門とする研究機関を有する筑波大学発のベンチャーである株式会社S’UIMINは、「世界中の睡眠に悩む人々にとっての希望の光となる」をビジョンに掲げています。

医療レベルの脳波計でご自宅で簡易に睡眠を計測し、睡眠を正確に把握することによって、睡眠の悩みを効果的に解決してくことをサポートしている、まさに睡眠の専門会社!です。

世界的な睡眠科学の研究者が代表を務める企業


代表取締役会長を務めるのは筑波大学 国際統合医科学研究機構長の柳沢正史教授です。睡眠を司る「オレキシン」という物質を発見しており、ノーベル賞候補の1人として世界的に注目されています。

株式会社S’UIMINでは、自分で就寝前に電極を貼って睡眠時の脳波を測定してAI解析を行う「InSomnograf(インソムノグラフ)」というサービスを展開しています。

取得された脳波から睡眠の状態を詳しく解析し、医師のアドバイスを加えて利用者にレポートするサービスを通し、睡眠状態に合わせて適切なアドバイスを行っています。

そんな睡眠研究とアドバイスの経験から「自分の眠れない原因の解明方法」と「脳波計のチェック方法」を教えてもらいましょう!

眠れない要因と具体的な改善策を導き出す


睡眠をよくする方法として、「朝日を浴びる」「アルコールを控える」「入浴する」など多くの方法が広く知られています。

しかし、自分に合わない睡眠改善方法を試しても、睡眠の質はなかなか改善できないもの。自分にとって適切な睡眠改善方法はどのようなものか、自己判断で見つけるのは困難ですよね。

そこで睡眠を計測し、ライフスタイルや行った対策での成果をチェックすることで、睡眠の質が悪くなる原因が判明すれば、適切な睡眠改善方法も分かっていきます。

実際のところ、何をやったら睡眠の状態が良くなったのか?これを安定的にチェックする事ができるのは、「InSomnograf(インソムノグラフ)」のような専門脳波計やスマートウォッチで実際の睡眠を可視化する最大の魅力です!

脳波による睡眠計測ってどんなもの?

私たちは眠っている(=睡眠状態にある)、深い睡眠と浅い睡眠を行ったり来たりしています。医学的には電極で脳波を取ることで、睡眠の深さや状態を正確に計測できます。

まずは、脳波を解析するとどんな情報が得られるのかを確かめてみましょう。

睡眠の状態を脳波で測定

「InSomnograf(インソムノグラフ)」の電極をおでこに貼り付けて睡眠時の脳波を測定すると、睡眠経過図というデータが取れます。

睡眠経過図で分かるのは、睡眠の深さと時間です。睡眠が深くなったり浅くなったりするタイミングや経過時間、中途覚醒のタイミングなどが詳細に読み取れます。

▼睡眠段階

  • WK……覚醒
  • REM……レム睡眠
  • N1……ノンレム睡眠(浅い)
  • N2……ノンレム睡眠
  • N3……ノンレム睡眠(深い)
  • NS……判定不能

「レム睡眠」は浅い睡眠で質が悪いってホント?

夢を見ることで知られるレム睡眠は、浅い睡眠で質が悪いと思われがちですが、実は浅い睡眠とは違う役割を持ち、身体や脳にとってとても大切な睡眠段階です。

レム睡眠は全身が脱力して筋肉が弛緩し、身体を休める役割があります。また、記憶の整理や定着のための重要なプロセスを果たすとも考えられています。

睡眠経過図から睡眠の質や問題を読み取る

睡眠経過図を見ることで、睡眠の状態や睡眠の質を悪くする要因が読み取れます。Fitbitなどのスマートウォッチの睡眠解析にも活用できるコツなので、ぜひ簡単に読み方をチェックしてみてください。(ただし、睡眠の計測精度はご利用のメーカーによって、特徴差が有ることを考慮して参考にしてください。)

睡眠の質がよい人の睡眠経過図


睡眠の質がよい方の睡眠経過図は、上記のように現れます。

寝付きはややスムーズではないものの、すぐに「深いノンレム睡眠(N3)」に到達しました。全体的に黄緑色・水色の「ノンレム睡眠(N2・N3)」が多く、後半にいくほど赤い「レム睡眠(REM)」がしっかり取れて安定しています。

そして、一晩を通じて目立った中途覚醒はありません。このような睡眠経過図であれば、寝付きはスムーズではなかったものの、比較的よい睡眠と読み取ることができます。

睡眠の質がよくない人の睡眠経過図


睡眠の質が悪い人の睡眠経過図は、全体を通して「中途覚醒(WK)」が目立ちます。

記憶に残らないほどの一瞬の「中途覚醒(WK)」を何回も繰り返し、しっかりとした覚醒が一晩の間に2〜3回ほど認められました。眠れているところを見ても「浅いノンレム睡眠(N1〜N2)」が多く、「深いノンレム睡眠(N3)」はほとんどありません。

少し「深いノンレム睡眠(N3)」に到達したところもありますが、すぐに「浅いノンレム睡眠(N2〜N1)」に戻っていて不安定です。このような睡眠経過図が取れると、睡眠の質はあまりよくないことが分かります。

「睡眠の質が悪い」と感じていた人の睡眠経過図


続いて実際の睡眠対策のケーススタディをご紹介、スッキリ起きられない20代女性のケースです。

睡眠経過図を見てみると「深いノンレム睡眠(N3)」がしっかり取れていて、「レム睡眠」も安定しています。中途覚醒は少しだけあるものの、そこまで睡眠の質は悪くありません。

しかし寝付きに時間がかかっているため、その影響で睡眠時間が短くなってしまっています。この睡眠経過図からは、睡眠の質はよくても体内時計がズレてしまっていると考えられます。

このような場合には「朝日を浴びる」「夕方以降は眩しい光を避ける」「夕方以降は脳を活発に使わない」などに気をつけ、体内時計を調整することで睡眠の質を改善して行くことで目覚めをスッキリに改善できます。

脳波による睡眠解析で睡眠の質向上の方法が分かる

脳波を使って睡眠解析をすれば、睡眠の質を悪くする要因を特定しやすくなります。

ご自身の睡眠状況に合わせた改善策を見出すことで、より効率よく睡眠の質を上げることができます。自分に合った睡眠改善策を試しながら、実際に睡眠の質が良くなる対策を積み重ねていくことで、より快適な睡眠をめざしていきましょう。

この記事でわかったこと

株式会社S’UIMINは睡眠改善に取り組む筑波大学発のスタートアップ企業
「レム睡眠」「ノンレム睡眠」など睡眠深度の計測で睡眠状態を解析
睡眠の深さや中途覚醒の頻度などから睡眠を評価する

最終更新日:2022.07.02

年齢を重ねても健康でいたい!生活習慣にプラスしたいインナーケア

バランスの取れた食生活や適度な運動、質の良い睡眠は、健康な身体や肌を保つために非常に重要です。

しかしながら、忙しい日々の中でどれも完璧にこなすことは難しいはず。そんな時に、考えたいのが、サプリメントで不足している栄養を補うことです。

いつまでも元気で美しくいたい、そうお考えの方はぜひこの機会に検討してみましょう。

この記事の監修者

谷 明洋(たに あきひろ)

・株式会社S’UIMIN 
・睡眠アドバイザー
・科学コミュニケーター

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