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糖化って何?老化につながる理由や糖化をケアする食事法について解説

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体内が焦げ付くとも表現される「糖化ってどういうこと?」「糖化するとどうなるの?」など、「糖化」について疑問に感じていませんか?

低糖質ダイエットが流行り、糖質の摂りすぎは身体によくないことが広く知られるようになりました。さらに近年では「糖化」すると老化につながり、さまざまな病気を引き起こしてしまうことが分かってきたのです。

そこで今回の記事では、国際中医師・漢方薬剤師として活躍されている大久保愛先生に「糖化について」というテーマで教えていただきました。糖化と老化の関係や、糖化を防ぐ食事についても触れていくので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること

糖化ってどんなこと?老化との関係は?
糖化しているかどうか知る方法
糖化を防ぐ食事とは?

糖化って何?どうして老化につながるの?

私たちの身体が老化するのは「糖化」の影響だということが分かっています。では、そもそも「糖化」とは一体どのようなことなのでしょうか?

糖化とは?

「「糖化」とは体内のタンパク質が糖と結合し、そのタンパク質が劣化している状態のことをいいます。

私たちの身体は、水分と脂肪を除くとほとんどがタンパク質です。そのため、タンパク質を劣化させる「糖化」は身体にとても大きなダメージを与えてしまいます。

▼タンパク質でできている組織

  • 筋肉
  • 内臓
  • 血管
  • 髪の毛
  • その他

タンパク質で作られているものの中でも、最大の臓器と言われているのが肌です。そのため「糖化」は、肌老化に大きな影響を与えます。

タンパク質の約3割は「コラーゲン」で構成されており、「コラーゲン」が糖化すると固くなってシワやたるみの原因になります。さらに「コラーゲン」が黄色くなると、シミやくすみの原因になってしまうのです。

糖+タンパク質+熱で老化物質「AGEs(終末糖化産物)」が生成される

体内で余った糖とタンパク質が結合し、そこに体温の熱が加わると、タンパク質が変性→劣化して「AGEs(終末糖化産物)」という老化物質が作られます。

「AGEs(終末糖化産物)」は、とても毒性が強い老化物質です。

例えば糖質を食べすぎたとき、エネルギーとして消費されずに余った糖は、身体を組織するタンパク質と結びつきます。「タンパク質+糖」に体温の熱が加わることで、「AGEs(終末糖化産物)」が生成されてしまうのです。

このことから、糖質の摂りすぎは老化の原因になると考えられます。

さらに「AGEs(終末糖化産物)」は、体内だけで作られるわけではありません。体外でAGEs(終末糖化産物)」が完成されているものもあり、食べ物から老化物質を取り入れてしまう場合もあります。

例えばこんがりと焼けた料理や揚げ物は、料理の時点で「AGEs(終末糖化産物)」が生成されてしまっているものです。ホットケーキやハンバーグ、焼肉やエビフライなど……「タンパク質+糖」が高温で調理されているものを食べると、老化物質を食べているのと同じことになります。

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「AGEs(終末糖化産物)」ができると老化を防ぐのは難しい

「AGEs(終末糖化産物)」が体内に発生すると、白血球の「マクロファージ」という貪食細胞が除去するために働きます。

「AGEs(終末糖化産物)」は非常に毒性の強い物質なので、免疫機能が働くということです。

しかし「マクロファージ」は「AGEs(終末糖化産物)」だけでなく、その周りにある正常なコラーゲンなども除去しようとしてしまいます。すると、それを修復するために「TGF-β」という増殖因子が出てくるのですが、「TGF-β」はコラーゲンを過度に作りすぎて機能低下を起こすことがあるのです。

その結果表皮が厚くなったり、真皮層の奥の方に「AGEs(終末糖化産物)」が蓄積したりするため、結局のところ老化につながってしまいます。

「AGEs(終末糖化産物)」は老化現象を引き起こす

新陳代謝が早い細胞なら、老化する前に新しい細胞に生まれ変わります。

しかし新陳代謝が遅い、または新陳代謝がされないところは「AGEs(終末糖化産物)」が蓄積しやすいのです。「AGEs(終末糖化産物)」が長く蓄積し続けると、さまざまな老化現象が起こってしまいます。

例えば皮膚や血管にあるコラーゲンの寿命は、10〜15年ほどです。「AGEs(終末糖化産物)」の代謝に時間がかかるため、代謝される前にコラーゲンが劣化してシワやたるみの他、動脈硬化など血管の病気を引き起こします。

ひざ軟骨の寿命は117年ほどといわれているので、ひざ軟骨に「AGEs(終末糖化産物)」が蓄積すると変形性関節炎などの症状が出てくるでしょう。目の水晶帯の中の「クリスタリン」は代謝しないので、目に「AGEs」が蓄積すると白内障になってしまいます。

細胞の設計図である「DNA」は1日5000個くらいの癌細胞を作っているのですが、通常であれば免疫によって排除されるため癌化しません。しかし「DNA」に「AGEs(終末糖化産物)」が蓄積していると、癌の発症リスクを高めてしまいます。

糖化によって起こりやすくなる病気

糖化が続くと、加齢性の病気を発症するリスクが高まります。

▼糖化によって引き起こされる病気

  • 動脈硬化
  • 骨粗鬆症
  • 変形性関節炎
  • 認知症
  • 白内障
  • その他

糖化は肌老化だけでなく、さまざまな病気の原因になってしまうんです。更年期世代のオトナ女子は女性ホルモン減少の影響も受けるため、とくに注意する必要があるでしょう。

糖化につながる生活習慣

糖化は糖質の摂りすぎや「AGEs(終末糖化産物)」の摂りすぎによって起こりますが、実は食事だけが影響するわけではありません。

毎日の何気ない生活習慣が、糖化を加速させている可能性があるんです。「老化が進んだ」「疲れが取れない」と感じている方は、日常生活を見直してみてください。

睡眠の質が悪いと糖化しやすい

良質な睡眠は、抗糖化作用があるといわれています。

さらに睡眠によって新陳代謝がよくなり、排泄を促すため「AGEs(終末糖化産物)」の蓄積を防げるんです。質のいい睡眠が取れていれば、糖化の影響は起こりにくくなるでしょう。

つまり睡眠の質が悪いと、「AGEs(終末糖化産物)」が蓄積して糖化が加速します。「寝付きが悪い」「すっきり起きられない」と感じている方は、糖化が進んでいるかもしれません。

睡眠の「質」と「時間」をしっかりキープしていくことが糖化を防ぎ、健康と美容につながります。良質な睡眠をとれるように、生活習慣や寝室環境の改善に取り組んでみてください!

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メンタルの不調が糖化につながることも

イライラや不安を感じるとき、心を落ち着けるためについつい甘いものを食べてしまうことはありませんか?

甘いものを食べると、たしかに一時的な快楽は得られます。しかし糖を摂りすぎると、エネルギー消費できずに余った糖が「AGEs(終末糖化産物)」を生成させてしまうんです。

また、血糖値の乱高下によって余計に不調になったり、体脂肪が増えたり、睡眠の質の低下を招くことになります。睡眠の質が低下すると新陳代謝に影響し、さらに「AGEs(終末糖化産物)」が蓄積しやすくなる悪循環が起こってしまうでしょう。

とくに更年期世代のオトナ女子は、ホルモンバランスの乱れによってメンタルの不調が起こりやすいので要注意。甘いものは一瞬のリラックスを得られても長期的な被害が大きくなってしまうので、ストレス発散はできるだけ別の方法で行うようにしてください。

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糖化しているかどうかを知る方法

糖化しているかどうかは、医療機関や健康診断結果でチェックできます。専門的な検査ができない方は、簡易的なセルフチェックの方法を紹介するのでぜひ試してみてください!

専門のクリニックで検査する

一部のクリニックでは「体内糖化度検査」という専門の検査を行っています。

測定器に腕を乗せるだけで、皮下の「AGEs(終末糖化産物)」がどれくらい蓄積しているのか測定可能です。

ただし、直接的な病気の検査ではないので、健康保険は使えません。全額自費診療になりますので、必要に応じて検査するかどうか検討してみてください。

定期検診で「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の数値をチェック

健康診断や人間ドックなど、定期検診を受けている方は「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の数値からどれくらい糖化しているのか推測できます。

「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」とは赤血球内にあるタンパク質の一種で、ブドウ糖と結合した「糖化ヘモグロビン」のことです。

「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の数値が高く出ているときは、糖化が進んでいる状態だと考えられます。とくに糖尿病予備軍といわれている方は、血管や目などの不調が起こりやすいので注意してください。

肌の老化状況から判断する

タンパク質でできている最大の臓器は皮膚なので、肌の状態を見ることでどれくらい糖化しているか判断できます。

「最近肌がくすんできた」「シミやシワが増えてきた」と感じる方は、糖化が進んでいるかもしれません。検査に行くのが難しい方は、肌の調子から判断してみてください。

糖化をケアする食事方法

調理方法た食べ方を工夫することで、身体の糖化を予防できます。健康で若々しい身体を保つためにも、今日から糖化しにくい食生活を取り入れてみてください!

野菜やタンパク質から食べて糖の吸収を抑える

食事をするときは、食べる順番を意識しましょう。

食物繊維やタンパク質など、糖質以外のものから食べ始めるようにしてください。

糖質が多いものを最初に食べると、糖化が進みやすくなってしまいます。血糖値の乱高下や脂肪の蓄積なども起こりやすくなるので、できるだけ野菜やスープなどから食べ始めるのがベストです。

こんがりと焼けているものは避ける

糖化予防のためには、もともと糖化した食べ物を避けることも大切です。

糖化した食べ物とは「タンパク質+糖」が熱されて、こんがりと焼けた状態のものをいいます。こんがりと焼けて美味しいものや、衣のついた揚げ物は糖化している可能性が高い食べ物です。

▼糖化している食べ物

  • 甘いパンケーキ
  • タレのついた焼肉
  • ハンバーグ
  • 衣のついた揚げ物
  • その他、こんがり焼けたおいしいもの

近年では「低糖質・高タンパク」の食事が流行していますよね。

しかし血糖値が上がりにくいものでも、糖化によるダメージは起こります。焼肉やハンバーグ、ステーキなど……低糖質だと思っても、「AGEs(終末糖化産物)」のレベルは甘いものを食べているのと同じくらいの健康被害があるんです。

身体の外で糖化が完成されている食べ物は、世の中に多くあります。まずは焦げ目のついた食べ物や、揚げ物は避けるようにするとよいでしょう。

茹でる・蒸す・煮る調理が◎

自分で調理するなら、茹でる・蒸す・煮るの調理法がおすすめ。

高温調理は「AGEs(終末糖化産物)」が多く生成されやすいので、できるだけ控えるのがベストです。焼く・炒める・揚げるなどの調理法は140〜170度くらいになるため、食べ物自体の糖化を進めてしまいます。

茹でる・蒸す・煮るなど、水に入れる調理なら100度を超えることはなく、「AGEs(終末糖化産物)」が生成されにくい調理法です。満足感を得たいときは、スープにするのもいいですね。

毎日炒めものや揚げ物を食べている方なら、週に1〜2回から茹でる・蒸す・煮るでできる料理を取り入れてみてください。少しずつ慣れながら1ヶ月ごとにランクアップしていき、いつの日か高温調理を半分くらいに削減することをめざしましょう。

糖やタンパク質の代謝を促進する栄養素を摂る

身体が糖化するのはイヤですが、おいしいものを食べられないのはもっとツラいですよね。

そんなときは、糖やタンパク質の代謝を促す栄養素を摂りましょう。糖化する前に代謝されれば、身体への影響は少なくなります。

糖の代謝促進 ビタミンB1(豚肉、大豆製品など)
タンパク質の代謝促進 ビタミンB6(鶏肉、カツオ、くるみ、豆乳など)

ビタミンB1の効果を長期的に発揮するためには、「アリシン」という物質を一緒に摂るのが効果的です。「アリシン」はネギ類やにんにく、ニラ等に含まれるため、豚肉や大豆製品と一緒に食べるとよいでしょう。

また、タンパク質の代謝を揚げることも「AGEs(終末糖化産物)」の蓄積抑制につながります。ビタミンB1やビタミンB6は、毎回の食事で少しずつ取り入れるのがおすすめです。

抗酸化作用のある食べ物を取り入れる

抗酸化作用がある食べ物を摂ることで、代謝が高まって糖化が抑えられます。

▼抗酸化作用がある食べ物

  • 緑黄色野菜
  • アブラナ科の野菜
  • ベリー系の果物
  • その他、色の濃い野菜
  • その他、香りの高い野菜
  • カテキン

とくに甘いものが食べたくなったら、食物繊維+抗酸化作用のある食べ物を一緒に摂るのがおすすめ。血糖値の上昇も抑えられるので、ぜひ意識して取り入れてみてください。

また、カテキンも抗酸化や血糖値の上昇抑制に効果的な物質です。豆乳に抹茶を混ぜた「抹茶豆乳」を継続して飲むと、糖化を抑える効果が期待できます。ただし抹茶にはカフェインが含まれますので、カフェインで覚醒しやすい方は早めの時間に取り入れてみてください。

糖化は老化を加速させる!食生活の見直しで糖化しない身体をめざそう

糖化とは「タンパク質+糖」に熱が加わって、そのタンパク質が劣化することをいいます。

糖化するとシミやくすみ、シワやたるみなど肌老化を引き起こしてしまうのです。糖化の影響は見た目だけでなく、動脈硬化や癌、認知症など重大な病気の発症リスクも高めてしまいます。

糖化を防ぐためには生活習慣を整えて、糖質を摂りすぎないのが基本。さらに、パンケーキや焼肉、ハンバーグなど糖化が完成されている食べ物を控えることも大切です。

今は低糖質・高タンパクの食事が流行していますが、低糖質でも糖化リスクがあるので注意してください。これからは食べ方や調理方法を工夫して糖化を防ぎ、見た目も内臓も老化を加速させない生活に取り組みましょう。

この記事でわかったこと

糖化は「タンパク質+糖」に熱が加わり、タンパク質の劣化によって老化物質ができること
専門的な糖化検査や定期検診の結果、肌状態などで糖化しているか判断できる
食べる順番や調理方法に注意し、糖化している食べ物を避けて代謝を促すことが大切

最終更新日:2022.09.07

この記事の監修者

大久保 愛先生

・薬剤師
・漢方カウンセラー
・国際中医師
・国際中医美容師
・アイカ製薬株式会社代表取締役
・漢方生薬研究所開発責任者
・一般社団法人腸内細菌検査協会理事
・株式会社東進メディカルアドバイザー

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